しつけは誰のため?

2018/02/21

今回は、犬を飼うことになったその日から誰もが「我が家のわんこにはきちんと躾をしよう」と思ったはず。
でも、つい毎日の生活に追われていくうちに「いま特に困ってもないし…いっか」となっている飼い主さんもいるのでは?
これからの話は、当時念願だったミニチュアダックスを飼育していた時の経験談です。
当時は、トイレを決められた場所でできて、むやみに咬みついたり、激しく吠えなければいっか程度に思っていました。
当然、ハウスに入る習慣も夜寝るときくらいで車の移動では助手席を占領し外を眺めていました。
あるとき家から15分位の場所へ行くため、いつものように車で移動しているときでした。前を走っていた車が急ブレーキを踏み、それに合わせて自分もブレーキを踏んだのです。
もちろん犬が隣にいるとわかっていたので前の車にぶつからないようにしつつ、できるだけ優しくブレーキを踏みました。そんな気遣いもむなしく、助手席から運転者の自分の方に顔を向けていたダックスはブレーキの反動でカーナビのモニターに鼻を強打したのです。
鼻を強打した直後のダックスは、真っ先に自分の顔をしばらく見つめていました。その時、話せないけど、「なんてことしてくれるのよ」と言っているようにも感じました。
この時はケガなどしませんでしたが、場合によってはフロントガラスに直撃ということになっていれば、もちろん命もなかったでしょう。そんな風に最悪を想像したことが、これまでの考えを変えるきっかけになりました。
何もなければいいけど、いつどこで何が起こるかわからないのだから、それに備えておくために躾は必要!と考えるようになり、犬の行動学からしつけ、トレーニングを学校で勉強することにしました。
勉強の復習がてらハウスをはじめ自分が生活していく中で「できたらいいな」をダックスと一緒に取り組んでいきました。
犬も自分も快適に過ごせるようになり、学校を無事卒業しドッグトレーナーとして東京で就職、生活していたある時、あの「東日本大震災」を経験したのです。幸い家の中に大きな被害はありませんでしたが、いつ起こるともわからない余震を気にしながら部屋の中で「ご飯」あげて「遊んで」とそれなりにのんびりしていた時です。
かなり大きめの余震が起こりました。アパートの最上階にいたため、実際の揺れより大きく感じ建物が崩れ落ちるのでは?とすら思いました。その時、部屋の中でのんびりしていたダックスをいざという時即座に逃げられるよう「ハウス」と指示。これまでの成果発揮です。一目散にハウスに入ってくれたのです。
幸い何の被害もなく事なきを得ましたが、「ハウス」の指示で即座に反応したダックスは素早く一緒に避難できたと思います。もしハウスができなかったら…「部屋の中にいる犬を追いかけ、抱きかかえて避難する」この所要時間を考えたら「ダックスはおろか自分の身さえ守れないかもしれない」と痛感したのです。
もちろん初めからきちんと躾をしていればいい話ですが、わかってはいるけどなかなかヤル気になれない飼い主さん一緒に頑張ってみませんか?
今回は痛かったり怖い経験談でしたが、最後まで読んでいただいた飼い主さんも「よし!しつけ頑張ろ!」という気になりませんでしたか?
しつけは、犬だけ、人だけのためではなくお互いのためだと思いますよ。