犬を「ほめる」

2018/03/08

今回は、犬を「褒める」について取り上げます。
「犬を褒める」というと、「おやつやおもちゃを与えること」と考えている学生や飼い主さんが少なからずいらっしゃいました。。
それを言われたときいつも犬を「褒める」というのは「犬を喜ばせること」で、喜ばせるために使うのが「ご褒美」と説明してきました。
しつけの本などでもいろいろ掲載されていますが、なぜ「褒める」=「ご褒美」ではないのかというと…
確かに犬を喜ばせるには「ご褒美」は有効です。ですが、「褒める」=「ご褒美」だと人は「ご褒美をあげるだけ」になってませんか?
それは、犬が「ご褒美をもらうために、人が望む行動をする」ということになってしまうのです。簡単に言ってしまえば、「飼い主さんが好き」ではなく「ご褒美大好き」となってしまいます。確かにご褒美をくれる人に多少興味を持つでしょうが、No.1はご褒美なのです。
飼い主そっちのけで「ご褒美をゲットする」ことが目的になってしまい、ご褒美がなければ何もできない犬になっていきます。「ご褒美があれば…」という条件付きでできることが「特技」や「しつけ」なのでしょうか?といつも疑問に思うのです。飼い主さんがいつも犬と楽しく生活するのが「当たり前」にしたいとは思いませんか?
そのためには飼い主さんは、犬の行動が「正解」か「間違い」か「評価」する必要があるのです。ここでいう「評価」は、「偉いね。よくできたね。」などの誉め言葉や撫でるといった飼い主さんが犬に示す態度です。そして、その後に「今の正解だよ」とわかりやすく伝える方法としてご褒美を使うのです。
気を付けてほしいのは、褒めることが先です。ご褒美が先になってしまうと、犬は最終目的を果たせばすぐに立ち去ってしまい、飼い主さんからの「褒め」ができなくなってしまいます。
犬褒めるときは、以下の順番で行います。(ご褒美をあげる頻度は、犬の様子を見て徐々に変えていきます)

1.まず、飼い主が褒める
2.褒めた後に「ご褒美」をあげる

この順番を守ることで人の「褒め」を、犬が「正解(ご褒美がもらえる)」と関連付けていきます。ご褒美をもらうことが目的ですが、そのご褒美は、「褒める」という合図でもらえるとなれば、「褒める」ということ自体が「嬉しいこと」になっていきます。

次に、褒めるタイミングについてお話します。犬は過去(数時間前)の行動と「今褒められた理由」を関連付けできると思いますか?
飼い主さんの中には「うちの子は賢いから!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、じつは覚えていません。つまり、数時間前のことを飼い主が思い出したように褒めても犬は「なんのことやら?」と関連付けすることはできません。
ですから、褒めるタイミングは「今、その時」しかないのです。
くれぐれも「褒める」ために過去を振り返らないでくださいね。 犬にとっては、「棚からぼた餅」的なサプライズなのでしょうが…