犬を「叱る」

2018/03/12

みなさん出来ることなら、やりたくないと思っているけど、そうも言ってられないこともありますよね。
そんな「叱る(しかる)」について取り上げます。読み進める前に覚えておいてほしいのは、決して「どんどん叱ってください」という意図ではありません。

まず、整理しておきたいのが「叱る(しかる)」と「怒る(おこる)」は違うということです。
どこが違うのかというと「叱る」は、「相手の間違いを正す」ということ。「怒る」は、「自分の感情を相手にぶつける」ということです。
「犬に伝わりやすくするために本気で!」と書籍などで書かれてますが、ただ感情的になっても犬は怒っている人に対して恐怖や不安しか抱きません。
そして何より、「叱る」とは書かれていても「怒る」とは書かれていないはずです。
その時の感情をぶつけるのではなく、「人の望むことができるように導く」というようなことが書かれていませんでしたか?
これまで自分が犬にしてきた対応は、上記の「怒る」になっていませんでしたか?思い当たる節のある飼い主さんは、まずは気持ちを落ち着けるようにしてくださいね。
必要なのは、飼い主さんの怒りの感情ではなく同じ失敗をさせないための根気強い努力です。
「意気込みはあるけど…どうしたらいいかわからない」という飼い主さん場合は、お気軽にご相談ください。
ネットや書籍に書いてある方法が、必ずしも全ての犬に通用するとも限りません。その子それぞれに合った方法を知ってくださいね。

そして、犬を叱るタイミングも、前回の「褒める」と同じです。
過去の出来事を振り返って叱っても犬は、なぜ今叱られているのかわかりません。叱るときも褒めるのと同様に、やってはいけないことをしてしまった「その時」しかないのです。
褒めるも叱るも「その時」ということは、何かをしながらその子と接していると出遅れてしまいます。いつも、目を離さずしっかり見守っててあげてくださいね。

最後に、叱った後は気分もリセットしてください。犬がやってはいけないことに「叱った」のなら、それでおしまいにしてください。
いつまでも気持ちを引きずってしまうと、そのあと褒めようとしても自分の対応が半減します。対応が半減したら、犬の「嬉しさ」も半減ですから、過ぎたことをいつまでも引きずらないことです。
ただし、やってはいけないことをしたきっかけや状況は覚えておきましょう。今後同じ状況になった時に人が前回の失敗を予測し、先回りして「失敗させないための対処」に役立ちます。
以上、思いつくままに「叱る」についてお話してみましたが、簡単にいうと以下の3つです。

・「怒る」ではなく「叱る」
・叱るのは、「その時その場で」
・叱った後まで感情を引きずらない

「叱る」というのは、犬を直接的に何かするだけではありません。様々な方法が「叱る」といってもあります。
それぞれの犬に対して、どう叱れば伝わるかも異なります。やみくもに叱って愛犬との関係を壊さないように気を付けてくださいね。