犬の咬傷事故

2018/03/22

先日からのニュースに日本国内でピットブルという種類の犬が「自宅からいなくなった」、「猟犬が近くにいた子供を咬んだ」など犬に関するニュースが続いていますね。
今回脱走したピットブルは、まだ見つかっていないそうです。一刻も早く、そして何事もなく飼い主の元へ返されることを祈るばかりです。
でも、犬が自宅からいなくなったことがニュースで取り上げる程?と思いませんでしたか?
それは、ピットブルという犬種に理由があるのです。
この犬種は、闘犬のために作られた犬種で人が襲われる事故も多いことから海外の国によっては所有、飼育することすらできない国があるほどの犬種なのです。
犬種のルーツを知ることで、犬について疑問だったことが「そうだったのか!」と納得できるかもしれません。
今飼育している犬が、どんな目的で誕生したのか調べてみると新しい発見があるかもしれませんよ。

さて、今回は犬の「咬む」について考えてみたいと思います。
まず、犬という動物が「咬む」のはごく自然なことですよね。咬んだ対象物が何かによって、問題になるかどうかが違ってくるのです。
飼い主さんとの話の中で、「歯の生え変わりで咬みたいのかな」といったことをよく聞きます。「人の手や足を咬まれたら痛いけど、歯も生え変わればそのうち治まるだろう」と
何もしていない飼い主さんが意外と多いと感じました。
結果的に、咬んで「いいもの」、「よくないもの」という区別を教えなかったために、「人の少しの出来事で咬みつく」という状況に陥っている犬は少なくないようです。
もちろん、一方的に犬の行動を制限することがないように「様々な刺激に慣らす」=「咬む必要がない」ということも必要なのですが…それは別の機会にしますね。
歯の生え変わり時期だからといって、咬まれれば痛みや出血もありますが何より「残念な気持ち」になりませんか?
家族は咬まれることを妥協しても、犬は咬んで「いいもの」「よくないもの」の区別もできてないのに咬む相手を区別できるでしょうか?
「咬みたいものを咬む」という経験を積み重ねているのですから、一般的に区別することはないでしょう。
そんな子が、脱走など人が行動をコントロールできない状態になってしまったら…心配のタネは尽きませんよね。
実際にそういった事故がこれまでも数多く起こっているわけですから。

また、「そのうち治まる」ということはありません。
「犬同士の社会化」で咬んだ時の「力加減」は学べても、咬んで「いいもの」「いけないもの」は学べません。人が教えない限り区別することはできないのです。
つまり、犬が人を咬んではいけないと自ら学習する(「いつか治まる」)ということはないのです。
今も咬まれて我慢を続けている飼い主さんでも「もう成犬だし…」と諦めないで欲しいのです。
成犬でも、時間をかけてきちんと教えてあげれば学べます。子犬が学習するまでに要する時間と比べれば、長い時間を要しますが学習させることは可能です。
これまで妥協に妥協を重ねてきた飼い主さん、そろそろ「痛みを伴う妥協」ではなく「快適な暮らしへの努力」を始めてみませんか?
誰からも可愛がられる愛犬になるために…