いつもならできること… なぜできないの?

2018/04/02

今回は、犬の行動について触れてみようと思います。これまでの内容と比べると少しだけ「硬い」「難しい」内容かもしれませんが
できるだけわかりやすくお伝えしたいと思いますので最後までお付き合いくださいね。

犬の行動について考えるには、「三項随伴性」 について知ることが理解への第一歩だと考えます。
その三項随伴性について説明します。
三項とは、「刺激」「反応(行動)」「結果」の3つの要素を指します。
この「反応(行動)」と「結果」の関係性を随伴性といいます。ここで関係性と言われてもピンとこないと思いますが、
何かをする(反応)ことで、望む結果になると、以降その反応が増え、
何かをする(反応)ことで、望まない結果になると、以降その反応が減る
というように結果によって以降に行動が増えたり減ることを関係性といいます。
この三項随伴性に基づいて犬の行動も考えられてきましたが、最近は「環境」も「反応」に大きく影響する要素として考えられるようになりました。
これが四項随伴性です。
つまり、犬にとって何かしらの「刺激」(音、ニオイなど)によって「反応」(吠え、逃げるなど)し、「結果」(追い払う、回避など)という考え方から、
「刺激」と「環境」の2つの要素によって「反応」が決まるという考え方になりました。
今回のタイトルになっている「いつもならできるのに、今に限ってできない」というのは、この「環境」の違いによって犬の「反応」が変わったということなのです。
「環境」というのは、単純に場所だけではありません。この環境の中には、人やニオイなど普段そこにあるもの全てが含まれます。
ですから、例えば何かの番組収録でカメラを持った人がそこにいるだけで犬にとっては「環境」がいつもと違うので、いつもなら出来ることも「出来ない」ということになるのです。
その犬の特技なら、それでも問題はないと思いますが、「呼べば駆け寄ってくる」といったような「しつけ」となれば話は別だと思いませんか?
もちろん普段過ごしている環境で確実にできるのは重要ですが、それで「しつけ」が十分されているとは言えないと思うのです。
犬を呼び寄せる場面は、普段と違う状況の方が多いと思いませんか?
もしも、家の中でいつも同じ人でという状況でしか指示通りできないとしたら、
まずは家の中で違う人でも同じようにできるようにしてみてはどうでしょう?
一人暮らしの方は、同じことでも場所を違う部屋などから始めてみませんか?
いつでも、どこでも犬の可愛さをよりアピールできるチャンスをもっと増やしませんか!