続 犬の行動(パターン1)

2018/04/06

前回、犬の行動(四項随伴性)について取り上げましたので、もうちょっとだけ掘り下げていきたいと思います。
今回は、前回の話より実際のしつけやトレーニングに関連する内容ですので、特に今現在しつけやトレーニングで奮闘中の飼い主さんには役に立つと思います。

前回取り上げた行動随伴性には4つの随伴性があります。
1.正の強化
2.正の罰 (正の弱化)
3.負の強化
4.負の罰 (負の弱化)

※上記4つのうち、2と4の罰は「弱化」とも表現されます。
今回は、上記4つのうちから「1.正の強化」について取り上げていきます。
「正の強化」とはどういうことなのかというと、人が望む行動ができた時、犬を褒めて伸ばす方法をいいます。
もちろん、「褒める=いいこと」をわかりやすく伝えるためにご褒美も使います。
犬は人の言葉を理解していませんが、表情や雰囲気などから人の感情を読み取る能力が優れているのでご褒美なんて必要ないと思われるかもしれませんが、
犬が喜ぶことをすることでより伝わりやすくするために使用します。また、人からご褒美をもらうことで人に対する信頼を築くことにもなります。

「ペットシーツで犬がトイレをしたら、褒めてご褒美をあげる」 → 「以降ペットシーツでトイレをする行動が増えていく」

というのが今回の「正の強化」です。
今後のためにも言葉の説明をすると、
「正の強化」の「正」は、犬の行動の後にその結果として何か(今回は褒めとご褒美)が犬に与えられることを言います。
「強化」は、犬がとった行動が今後より増えていくことを意味します。

犬の行動が強化されるには、結果(褒めやご褒美)が犬にとってうれしい出来事になっていなければなりません。
結果がすごく嬉しい出来事なら、犬に強い印象付けができ次回も同じようにしてくれる可能性が高くなるのです。
でも、一度できたからといって身に着けたわけではありません。
まだ「どうしたらいいのかぼんやり」程度ですから、もし次に失敗してしまっても決して叱らないでくださいね。
まだどうしたらいいか理解できていないのですから…

また、何よりも飼い主さん自身が褒め上手でなければ「いつ何を褒めたらいいのか」わからなくなってしまうので、まずは自分自身が「褒め上手」になるよう心がけましょう。
一般的に、海外では子供のしつけは「褒めて伸ばす」一方で日本人は、「叱ってしつける」という傾向があると言われているのが関係しているのかわかりませんが
「褒めること」が上手くないといわれています。
みなさんはどうですか?「褒め上手」な飼い主さんになってますか? 自分は犬を飼い始めた最初の頃は「褒め上手」ではありませんでした。(笑)
犬のトレーニングがきっかけで「いつ何を褒めたらいいか」が身に着いたタイプです。
今は褒め上手でなくても、なるための環境(犬を飼育している)は揃っています。あとは、飼い主さんの気持ちと努力で「褒め上手」になれるのです。
この春から、「褒め上手」な飼い主に変身してみませんか?

しつけ、トレーニングでは最初に挙げた4つを組み合わせて使用するのが一般的です。
是非みなさんには残りの3つも正しく知っていただきたいと思いますので次回以降もよろしくお願いします。