続 犬の行動(パターン2)

2018/04/11

前回、犬の行動(「正の強化」)について取り上げましたので、今回は、2.正の罰(正の弱化)についてになります。実際のしつけやトレーニングに関連する内容ですので、
特に今現在しつけやトレーニングで奮闘中の飼い主さんには役に立つと思います。

1.正の強化
2.正の罰 (正の弱化)
3.負の強化
4.負の罰 (負の弱化)

「正の罰(正の弱化)」とはどういうことなのかというと、人が望まない行動をした時、犬にとって「うれしくないこと」を使ってその行動を減らしていく方法をいいます。
ここでいう罰(弱化)とは、「徐々に行動が起こらなくなっていく」ということです。一般的に使われる「罰=叱る」といった意味ではありません。
犬の行動を減らすために何かをする。その「何か」とは犬にとって「ハッ」とさせるような出来事を起こし、今やっていることを止めるための方法です。
ですから、体罰といったようなことは必要ないのです。そして、以前のブログでも触れましたが犬は人の言葉は理解してません。
できるのは、人の表情や態度、声などの変化を読み取り飼い主さんの今の心境を推し測ることですから、子供を相手に怒鳴るようなことをしても具体的に何に対して怒られているか理解できません。
「ハッ」とさせるとはいっても、場合によっては強めに対応しなければならないこともありますが、基本的には上記で挙げたように「ちょっと驚く」程度の刺激で、犬の行動を一時的に止めさせることはできるはずです。
やめてほしいことをやめた時、それは飼い主さんが望んでいたことではないですか?だとすると、一時的にでもやめた時というのは「それでいいんだよ」といった褒めてあげるときではないでしょうか?
嫌なことだけ起こるのでは、犬にとっては何一ついいことなんてないですよね。そんな状況では、一体どうしたらいいのかわからなくなると思いませんか?
今回の「正の罰」を使うときには、どうしたらいいのか正解を人が導くところまで必要だと思うのです。
嫌なことだけでなく、人の望むことができると「褒めてもらえる」ということがあってこそ犬は、正解を経験でき改善が見込めるようになると思いませんか?
どうしたらいいのか「正解」に導くことで「褒める」ことができます。犬にとって「褒め」があるからこそ人を脅威ではなく信頼できる存在になると考えます。

以前、ある飼い主さんから伺ったお話です。自宅の犬が子犬の頃からの甘噛みが治まらず出張ドッグトレーナーさんに来てもらったそうです。
そして噛み癖の対処法として、手や足を噛んだら「犬の首根っこをつかんで大人しくなるまで持ち上げてください」と教わり実践したそうです。
しばらくすると、その犬は飼い主の姿を見ると歯?き出して威嚇した後、本気で噛みついてくるようになったそうです。
間違った対応では、改善どころかより深刻な状態にさせてしまうのです。そして、その対処方法もより難しくなり改善が難しくなります。
ですので、独自の方法でこれから始めようとする場合は、その方法が本当に適正な方法なのか冷静に評価してもらうことをお勧めします。
そして、しつけやトレーニングでは最初に挙げた4つを組み合わせて使用するのが一般的です。特に、犬の行動を修正する場合、4つのうちの1つの方法だけではうまくいきません。
また、どれを組み合わせるのかといったことも、冷静に評価できる人に相談して決めてほしいと思います。
犬も人もお互いが幸せになれるための方法を選択してくださいね。

是非みなさんには残りの2つも正しく知っていただきたいと思いますので次回以降もよろしくお願いします。