続 犬の行動(パターン3)

2018/04/14

今回は、3.負の強化についてです。

1.正の強化
2.正の罰 (正の弱化)
3.負の強化
4.負の罰 (負の弱化)

「負の強化」とは、犬がある行動をし続けている間は、犬にとって「うれしくないこと」が起こっていますが、その行動をやめた瞬間から「うれしくないこと」が取り除かれる方法です。
その行動をしなければ「嫌なこと」が起こらないという経験を重ねて、飼い主さんにとって望ましくない行動をしないように仕向ける方法になります。
つまり犬が学習するまでは、犬にとっての「嫌なこと」を繰り返さなければならないのです。それができなければ、望ましくない行動を止めるための手立てが無くなるわけですから犬の行動も収まらないし、学習もできません。
この方法に限ったことではありませんが、飼い主さんの気分でやったりやらなかったりというのは学習どころか犬が混乱します。この方法でやるとなった時から一貫して行う必要があります。
しかし、しつけのためとは言え犬に「嫌なこと」を毎回やるというのは抵抗がある方も少なくないかもしれませんが、無意識のうちにこの方法を使っているかもしれないのです。
ここに1つの事例を挙げます。それは、多くの飼い主さんが日課にしているお散歩です。

犬の行きたい方へ飼い主さんが後からついて行くというお散歩をしていたそうです。
犬に引っ張られたくないという飼い主さんがとっていた一つの方法ですが、
犬が引っ張ったらその場で立ち止まる。
犬が引っ張るのをやめるまでその場から動かない。というふうにしていたそうです。
そうしたら、お散歩で引っ張ることが少なくなり今ではほとんど引っ張ることをしなくなったそうです。

これは、今回説明している「負の強化」になっているのです。
引っ張っている間、犬は首輪がのどを圧迫して苦しいし、前に行きたくても進めない。でも、引っ張るのをやめたら呼吸が楽になり、前に進むこともできる。
結果、その犬は立ち止まらずにお散歩できるようになった。(引っ張らないという行動が増えた)
といったように、行動随伴性や4パターンは知らなくても無意識に使っていることがあるのです。
この飼い主さんの取った方法は、全てが上手くいったケースですが「嫌なこと」の選択を間違えると思いもしない結果になってしまいます。
どんな方法で対処するにしても、一度相談していただきたいと思います。
間違った対応は、犬を混乱させるだけでなく問題が複雑化します。

犬も人もすっきりとして快適に毎日を過ごしたいものですね。
次回が最後の4つ目です。続 犬の行動(パターン4)もよろしくお願いします。