続 犬の行動(パターン4)

2018/04/18

今回は、4.負の罰(負の弱化)についてです。

1.正の強化
2.正の罰 (正の弱化)
3.負の強化
4.負の罰 (負の弱化)

「負の罰」とは、犬がある行動をしたとき、犬にとって今まであった「うれしいこと」がなくなり、犬がある行動を再びしなければ「うれしいこと」があるという方法です。
その行動をしなければ「うれしいこと」が続くという経験を重ねて、飼い主さんにとって望ましくない行動をしないように仕向ける方法になります。

これまで挙げた方法の全てに共通していることですが、繰り返し行う必要があります。
今回の「負の罰」を簡単な例で表現すると

犬と飼い主さんが一緒に遊んでいます。
犬も楽しくて思わず飼い主さんの手を噛んでしまいました。
手を噛まれた飼い主さんは、それまでの遊びを中断します。
手を噛まずにいたら、再び遊びを再開します。

ここでの犬にとっての「嬉しいこと」は、飼い主さんとの遊びです。ある行動とは、飼い主さんの「手を噛む」という行動です。
この行動が出た瞬間、「嬉しいこと=遊び」が犬の目の前からなくなってしまいます。手を噛まずにいられたら、遊びが再開されるという経験の積み重ねによって
犬は「手を噛む」という行動が減っていきます。前にも説明しましたが、行動が減ることを「罰」といいます。
「嬉しいこと」がなくなるから罰ではありません。

飼い主さんの中には、「せっかく犬が楽しく遊んでいるのだから…遊びを中断するなんてかわいそう」と思われる方もいるかもしれません。
でも、こうした経験があるからこそ犬は「何が良くて何が悪いのか」を学習していくのです。
犬同士のことは、子犬の社会化期で学習しますが人との接し方は学べません。学ばせることができるのは人の他にいないのです。
それに、この方法は犬同士の間でも使われていて、子犬同士の遊びで思わず相手を強く噛んでしまった時、
相手は「キャン」と鳴きお互いの動きが一瞬止まる場面を見たことありませんか?これがタイムアウト(中断)という「負の罰」なのです。
直前までお互いが楽しく遊んでいましたが、思わず「いつもより強く噛む」ことで「楽しい出来事が中断(なくなる)」という経験によって、「どうすれば楽しく遊び続けられるか=噛む力の加減」を学んでいきます。
以上4つの随伴性について説明してきました。これまでのブログでも伝えてきましたが、4つの方法はどれか1つだけで完結するものではありません。
また、強化の際に使用するご褒美や罰(弱化)で使用する刺激も、しっかり吟味して使用しなければ意味がありません。
これからしつけやトレーニングに取り組もうとしている飼い主さんは今後の参考にしていただければと思います。
あなたは愛犬にどんなことができるようになってほしいですか?

犬も人もおたがい楽しくしつけ、トレーニングしていきたいですね。