トラウマ

2018/06/06

先日、久しぶりにバイクツーリングで珠洲に行ってきました。新緑の山間部、海岸沿いの道を走り抜けリフレッシュしてきました。
気持ちよく走行していたのですが、途中山間部で下り坂のカーブに差し掛かった時でした。過去に転倒した記憶がよみがえり、アクセルを緩めてしまったのです。
みなさんのご想像通り、過去の転倒が「トラウマ」になっていました。当時の状況は、下りの右カーブで車道の左側(車道の中央より左)に溜まっていた砂利のようなものに前輪が取られてしまいそのままコースアウト。
できるだけスピードを落とそうとブレーキとエンジンブレーキ操作をぎりぎりまで行っていたからかバイクも軽い擦り傷で自分の体も打撲のみでした。転倒する直前までは覚えていますが、それ以降の記憶はありません。気が付いたときには目の前に横転したバイクがあり、自分は正座を崩したような態勢でした。バイクや自分の体は大したことはありませんでしたが、精神的なショックが大きかったようです。
この恐怖体験が同じような状況(下り坂のカーブ)になる度によみがえり、ツーリングメンバーから遅れることになりました。
頭では「大丈夫」と思っていても体が反応してしまうというトラウマ体験があることを痛感しました。
今回、なぜこのような話をすることにしたかというと、人は苦手なこともその先にある目標のために自らの努力で克服できます。でも、犬は違うのです。目の前の困難を克服できれば、その先の大きな喜び(目的の達成)が得られるといった論理的な考え方はしていません。
犬は強烈な恐怖や不安などを経験すると以降同じような場面になると、「それ」を遠ざけようとします。その手段として咬みつき、吠え、逃走といった行動をとるのです。
犬は、単純に目の前のものが好きか嫌いかで行動するので、苦手の克服には人の手助けが必要なのです。
また、その手助けも誤った方法でやってしまうと克服どころかさらに悪化させてしまいます。

これまで出会った飼い主さんの中には独自に方法を考え、苦手な状況を繰り返し経験させるという結論に至った方も少なくありませんでした。
単純にトラウマになっていることを繰り返し経験させても、犬にとってはお仕置きを繰り返し受けているようなもので克服することはありません。
トラウマとなっていることが「実はたいしたことじゃない」と思わせるように進めなければ克服はできないのです。
愛犬の吠え、咬みなどで手を焼いている飼い主さんにはきちんとした方法を段階を踏んで進めてもらいたいと思います。
愛犬の悩み事は一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。
愛犬がこれまでに何かトラウマになるような経験がなかったか振り返ってみると原因がわかるかもしれません。

トラウマの緩和、解消は愛犬のストレス軽減にも繋がりますよ。